宙組新人公演「バレンシアの熱い花」。
この公演の長であり、この公演で新人公演を卒業する87期。
そのうち、特筆しておきたい人が2人。

たっちん。
いやー、素晴らしい。歌声は今回は封印してましたが、声の使い方や台詞運びなど、もう最高の安心感。
前領主の奥方というどっしり感も、貴族の高貴な感じも、息子を心配する母親の一面も。
本当に上手いな〜〜〜と。ただただ感嘆するばかりでした。
最初の出番のピンクのドレスの着こなしも文句なし。あの色は難しいと思うけど、上品に着こなしてたな。
ひとつ難点は「いいひと」。やはりこの台詞は難しい。誰が言っても、納得のいくものではないんだろうな。これは柴田先生に直接どういう意図の台詞なのか、説明して欲しい・・・。
たっちんは、ヒロイン芝居も出来れば大人の芝居で脇を締めることも出来る。
ここまでの育ち方は「ヒロイン路線なのか違うのか」で劇団側にも大いに迷いがあったのだと思うのだけど、こういう人は大切にしてもらいたい。
十分にヒロイン、行けます。本当に大切にして欲しいですね。

もうひとり、きみちゃん。
この人、本当に新人公演学年なの??という驚きと共に。
本公演のレアンドロも熱くて熱くて、きみちゃんの芝居好きだなと思っていたのですが。
レオン将軍、とてもよかったです。
落ち着きと、暖かさ。強さ。そして賢明さ。
きみちゃんのレオン将軍には、つねに暖かい思いが感じられて・・・・。
(この作品、レオン将軍の居方によってはフェルナンドを操っている狡猾な労将軍という感じになってしまうことが一番怖いと思うので・・・・)
フェルナンドを応援している、(もちろん、最愛の孫マルガリータの許婚だからね)という感じが強く出ていて良かったと思います。
しかも、ちゃんとそれを分かっていて演じている、と思いました。
きみちゃんの演者としても力量に感動しました。

そして、もうひとり。暁郷。
この子が未だ研5だなんて信じられません。
ヒゲがつけひげだなんて信じられません。
見事な色悪っぷり。素敵なおじ様。
「ご存知のように私には子供がいないので」って言いながら、シルヴィアを見る目つきがもう、あなた、ねっちょりしててエロチックで、なんとも言えない色気にあふれていて・・。
本役のともちに比較的ちかい役作りだったとおもうけど、でも難しい役を実に上手く演じていました。
ああ、この子、役者だなあ。素敵だなあ。
なんとなく、色物的な扱いになりつつある(っていうか、本人もそれでいいと思ってる、それが美味しいと分かってる)んだけど、役者としての基本スキルがちゃんとしているので、2枚目をふっても十分に出来ると思います。
基本的に立ち振る舞いがキレイ(まだ緊張しているのが分かるけど)なので、ダンスも私の好みなんじゃないかという予感。
ああ、GOの主役も見てみたい。。。。

最後の挨拶も感動的だった、今回の新人公演。
たっちん、ちぎちゃん、きみちゃんたちの87期が卒業で、次回からはみー、ちー、だいの88期が長になりますね。
来年は2回の新人公演があるので(しかも1回は理事降臨)、新人ちゃんたちが勉強するにはいい環境でしょう。
希望としてはみーちゃんに、理事の役で勉強をして欲しい。
そしてアリス以外の娘役にも可能性を開いてみて欲しいかな。
GOの2枚目役にも期待。

やっぱり、宝塚は面白いな。

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