ユヒカル感想。続き、行きます。

タキちゃんのギャグに、クスリとすることもなく台詞を続けるユヒカル様。
「困ったものだな」って!!(これ、ギャグなんですか?)
クールビューティ・ユヒカル様は突き進みます。
赤い軍服が凛々しくて、とってもお似合い。
ユウヒ君らしい、硬質な感じの声と低温な感じがオスカルにぴったりだなあ、とこの時に思いました。
真っ赤な軍服を着ていても、ユヒカル自身は真っ赤に燃える炎ではない。
炎にたとえるなら、青白い炎。
だけれど、その炎を燃やすのは、体の中にながれる、真っ赤な血。
ユウヒ君が着る赤い軍服は、オスカルの情熱の炎の色ではなく、血の色でした。

「オンナを捨てた君には分かるまい」とあまりにも配慮に欠けた捨て台詞を残し、下手にはけるフェルゼン。
ひどいよな〜。この台詞はないだろう。
この時点でフェルゼンの人間性が疑われます。単に自分勝手なおぼっちゃま。
人の気持を慮ることも出来ない、30過ぎの留学生。
・・・・・はるばるフランスまで来て、君はいったい何を学んでいるんだ?
フェルゼンを主人公にするのであれば、この台詞は変更すべきだったと思う。
この後でメルシー伯爵の(長すぎる)お説教で「真実の愛」を知るのだから、それ以前のフェルゼンは馬鹿まるだし男の方が、変化が劇的に見えてよい、ということなのだろうが、
それもでこれではあんまりだ。オスカルが好きになった、という価値が全く感じられない。
これでは、こんな馬鹿男を好きになるなんて、オスカルも馬鹿じゃない?という感じすら受けてしまう・・・。

そして、そんなひどい台詞に傷つく(乙女なら当然だよね〜)ユヒカル様。
眉根をきゅっと寄せて、切なげな表情がたまりません。
体温低そうな感じが、切ないお顔に良くあっていて、なお一層胸を締め付けます。
ユウヒ君、こういう切ない顔、うまいよね。
ルドルフの時も、傷ついた顔が天下一品でした。
フェルゼンとの出会いを夢見ごこちで語るユヒカル様。夢見るような甘い声が良かったです。っていうか、ユウヒくん、こんな甘い声も出せるんだ!
っていうか、ユウヒ君、お芝居結構うまいじゃん!!!
(もちろん、褒めてます。ゆうひ君ファンですから)

「ああ神よ〜」と名台詞ですね、これは。
言い回しがとても女性らしくて、今回のオスカルは相当徹底的にオンナノコなのだと、実感しました。
そして「愛の巡礼」。
歌、大丈夫でした。普通にうまかったです。

次のシーンは陛下のお散歩。
ここ、長すぎます。ルイ16世、一人でしゃべりすぎ。
半分の長さで良いでしょう。お小姓役の二人は可愛いけれど、意味がわからない・・。

愛の小船に続きます。
いいシーンでした。考えてみると、フェルゼンとアントワネットのカップルシーンって、
ここくらいしかないんですね。
「バラのスーベニール」。わたる君も歌がうまくなった気がしたな〜。
となみちゃんとの声質も合っていて、聞きやすかったです。
狭い小船の中での体勢変更、相当わたる君が気を使っているのが分かりました。
となみちゃんのスカートが結構ボリュームあるので、足の位置とか、一度決めた後でも
もぞもぞと動かしていたりして。
その辺に愛を感じたね。
(全ツでは、兄と妹に見えたけど、大劇場ではちゃんと愛が見えました)
マリーと呼んで下さいっていうときのとなみちゃんのキラキラした目が、もう可愛くて!
ぎゅっと包み込むフェルゼン。愛だね。愛。

カーテン前。上手よりブイエ将軍、ユヒカル様、すずみんジェローデルが登場。
・・・・・すずみんがカッコいいんですけどっ!!(ちょっと動揺)
「それでも君は得近衛隊の軍人か」と問われて、「軍人です!フランスを守る、軍人です!!!」とユヒカル様が堂々と応じます。
ここ、すげ〜カッコいいです。「フランスの軍人です!」が最高にカッコいいです。
ユヒカル様、ここぞという時には、男役らしくクールにびしっと決めてくれます。
ここの台詞が軍人として、とてもカッコよく決まっているからこそ、この後に女はダメだといわれてからの台詞が生きてきます。ユウヒ君、ちゃんと計算しています。
(でもここのオスカルパパの怒り方は異常です。変です。原作を下手に切り張りしてシーンを作るから、こんなヘンなことになってしまうのです 怒)
「なぜ、なぜ??私が女だから馬鹿にされるのですか?」乙女な声のユヒカル様。
「オスカルの中には女性の部分がある」、のではなく、「オスカルは女性なんだ」という人物設計の大前提がここではっきりと示されます。
この部分は良かったな。ここではっきりとオスカルは女性だと分かるから、最後の「この戦闘が終わったら結婚式だ」も違和感がありませんでした。
そういう意味で、非常に有意義なカーテン前の場面でした。この場面でしっかりと場面の意味を観客に知らしめた、ユヒカル様の的確な演技力は賞賛に値します。

でもブイエ将軍の台詞には、意義アリ。「軍隊で女の権利を主張されてもこまる」だなんて、
誰もそんな権利を主張してなんかいませんが?!
はなしの流れと台詞があっていません。
植じいの、女性蔑視、女性なんてこんなもんだよ、という意識が窺い知れてとても不愉快になる台詞でした。

そして、前半最大の難関(何の?)(眠気の!)(だって長いんだもん!)
あまりにも警備の手薄なフェルゼン邸の場面へと続きます。
ここもさ〜、どうにかならんのかなぁ?
長すぎるし、内容が稚拙すぎるよね。
「真実の愛」だけを語りたいなら、半分の長さで充分です。
わたる君の出番を増やすためだけに、こんな長い場面になっているように思いますが、
逆効果だから!短い方がインパクトあるから!!
新曲「愛の三叉路」を歌い上げるフェルゼン。
悩ましい風情は、わたるファンとしてはみどころです。
でも、歌の内容は〜〜〜〜〜〜〜。女々しいんだよな。
どうせなら、「マリーと別れる」ことをはっきりと決めて、自分の幼すぎた部分に別れを告げて大人になる、その気持を歌い上げて欲しかったです。

続きはまた今度。

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