正直言って「ベルサイユのばら」には期待していなかったんです。
初めて見た(TVですが)花組「フェルゼン編」でも、宙組・星組の2001でも、
ストーリーには全然興味がもてなかったんですよね。無理がありすぎて。
拒否感すら持ってしまっていた位。
そして、その拒否感にさらに拍車をかけたのが、去年秋の星組全国ツアー。

・・・・・・・ありえないだろ〜〜〜〜!!
なんなんだよ、あれは。
物語にすらなってない。筋がない。時間がつながっていない。場面の細切れ。
あまりにもあまりにも、で、もう口あんぐりでした。何も言えなかった。
市川公演を見たんですが、土日の両日持っていたチケット、日曜日の分はさばきました。
見るに耐えなくて。
大好きなわたる君がいても、「シバ魂」は大満足だったんだけど。
でも、さばきました。見るに耐えなくて。

そんなだった、全ツベルはらの後ですよ。
正直今回の「べるばら」には興味が持てなかったんです。
12月の東宝月組公演で、ユウヒ君に堕ちていなかったら、たぶん大劇場遠征はしていなかったと思います。

・・・・でも、ユウヒ君に堕ちちゃったからっ!!!
どうしようもないくらい、ユウヒ君が好きになっちゃったから!!!


行ってきました。2泊3日。
千秋楽前の週末で、もちろん宝ホもワシントンも満杯。宿泊は梅田でした。

・・・・・・行ってよかったよ〜〜〜〜〜〜〜〜!!!!!
こんなに感動するとは思わなかった!!!
全ツとは明らかにベツモノになっていました。
ちゃんと、物語として成り立っていました。
やれば出来るじゃん、植田先生!(あえて先生と呼ぶよ)
もちろん、突っ込みどころはあり過ぎなくらいあるけど、それは最近のタカラヅカ作品全てに言えることだから。
とりあえず、ちゃんと物語として、作品としてみることができるようになっていただけで十分です。満足です。ありがとう、植じい。

今までのベルばらは、物語としてのひどさ(原作の活かし方を間違いすぎる)はもちろんのこと、登場人物に魅力がなさすぎた。
特に、フェルゼン。
(私が初めて見たベルばらがフェルゼン編だったこともあって、フェルゼンには思い入れがあるんですよね)
生きる目的を見つけて雄雄しく自立していく女性陣の中にあって、ただ1人、愛におぼれ全てを見失い、自分を確立できない「バカ男」。
どんなにカッコ付けてみても、いままでのフェルゼンってそんな人。
でも、今回はちょっと違った。
1幕ラストの宮殿シーンが出来たことで、人間としての魅力をようやく得ることが出来ました。愛におぼれるだけでなく、ちゃんと自分で自分の道を選択できる大人になっていました。
このシーンが出来たから、2幕ラストの牢獄でアントワネットの死を受け入れ、見送る姿に説得力が出たと思います。
・・・よかったよう〜。フェルゼンがちゃんとした大人になっていて。
あのアントワネットが、あのオスカルが、好きになるだけの人としての魅力がようやく分かるようになったと思います。
・・・・今までのフェルゼンだと、なんで二人は「こんな人を好きになったんだ?」という疑問が常に付きまとっていたからね。

もちろん、30過ぎの留学生、とか。
お姉さまと呼ぶな!なんで姉上じゃいけないんだ!、とか
そんな警備の甘い屋敷に住んでるのか、貴族なのに!、とか、
「初めから君が女だと知っていたら・・」なんて配慮の足りなすぎる台詞はないだろ、とか。
色々と突っ込みどころはあるんですがね・・・・。

でも、フェルゼンがちゃんと大人になって、物語が成立するようになっていて、
とっても良かったと思います。
おかげで(わりと)すんなり感動できました。
(でも感動したのはオスカルの場面だけどね。バスティーユとか)

ようやく改善された、べるばら。
とりあえず、植じいと谷センセ、ありがとう。

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